地震の後は、やたらと天気だけは良かったですねぇ。。。きれいな空も見られました↑
前回は、北海道胆振東部地震(震度6強エリア内)に遭遇した瞬間から、生活の復旧までの間に、役に立ったグッズを紹介しました。
今回はいよいよ本題。地震後、我が家のハイエースキャンピングカー、バンコンがどのように役立ったかをお伝えします。
初版公開:2018年10月
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2020/1 書誌情報 追記 2020/2 2021/9 書誌情報修正
キャンピングカーが災害に強いのは本当だった
キャンピングカーは、前の記事で紹介した「防災グッズ」に比べると、もっと大きなレベルでの「安心感」をもたらしてくれました。
一言で言うと「防災シェルター」のような感覚です。
我が家は幸い1週間ほどで、もとの生活を取り戻すことができたのですが、「1ヶ月くらいだったら、まだまだいけるかも・・・」と思ったほどです。
2019年に起きた北海道地震の体験をもとに、地震災害と車中泊の関係や、キャンピングカー本体が災害時にもたらしてくれた便利さ、について考察してみたいと思います。
余震が怖くて車中泊、を掘り下げると・・・
大多数の皆さんと同じように、私がこれまでの人生で出会った地震は、震度5クラスまででした。
他の気象災害でも、自分が避難対象者となるような場面に出くわしたことはありませんでした。
中越地震や熊本地震の報道を見ていると、よく「余震が怖くて自宅に入れず、夜は車で車中泊」というニュースが報道されていましたよね。
エコノミークラス症候群の心配、と共に。
きっとそういうものなんだろうなぁと、漠然と知識としては知っていました。
今回、自分が北海道で起きた大地震の「被災者」になって初めて、その背景にまで思い至るようになりました。
単に「怖い」だけではない?!
震度7や6クラスの地震災害では、必ず余震が数カ月続く、と言われています。
熊本地震や東日本大震災の場合は、もっと長いスパンで余震が起きているようです。
そんな中「余震が怖くて車中泊」と聞いた時に、第三者がどんなイメージを思い浮かべるかというと・・・
- 「心理的に」揺れが怖くて、本震を思い出してしまうため、自宅内では寝られない
- 家に家にひびが入るなどしているので、余震が来た場合に倒壊する恐れがある
このような状況であれば、「なるほど、怖くて家に入れないのだな」と、部外者でもなんとなくわかります。
北海道地震の後、私が家で寝られなかった具体的な理由
私は今回、北海道胆振東部地震発生日から5泊(6日目まで)、我が家の駐車場に停めた、バンコン:ハイエースキャンピングカーで夜を明かしました。
家が壊れていないのに、どうして中で寝なかったか?!というと、上に書いた1,2の理由と、似てるようで似ていない理由があったのです。
その理由とは・・・
- 寝室の片付けが終わらなくて、中に入れない→間取りや作業の進めやすさを考えると、居間や台所など片付けが優先となるので、なかなか寝室の片付けが終わらない!
- 6強クラスの地震が来れば、モノが落ちる家具の配置だと判明したので、部屋の「模様替え」や、つっぱり棒などの「地震対策」も同時にしなければいけない!→さらに作業が終わらない!
この2点です!
どうでしょうか、「余震が怖い」と一言で表すのとは、若干ニュアンスが違いますよね!
避難所には行けない、色々な理由がある
このように、家の中で寝られない理由は、意外に色々ある!ということを身をもって知りました。
では、避難所に行くかどうか・・・選択を迫られたときに、果たしてすんなりと、行けるでしょうか?
日ごろから防災について意識している方なら思い浮かぶと思いますが、行けない事情はいろいろあるようです。
- お子さんが小さくて夜泣きをするので気をつかって避難所では寝られない
- もともと睡眠障害があるとか、寝付けない体質だ
- トイレの頻度が多いので共同部屋が苦手
- ペットがいる
報道などで出ていることですが、実際に自分の身におこってからでないと、なかなか気づかないことってありますよね。
実際、避難所に行かなければいけないかも?!という立場になってみると、色々なことが思い浮かんで不安でした。
「できれば行きたくない」と思った方が、今回も多かったのではないでしょうか。
車中泊を選択する人が多くなるのは当然だなぁ、と、実際に遭遇してみて感じました。
今回の北海道地震についても、新聞記事が出ています。
→朝日新聞デジタル:混み合う被災地の車中泊 避難所で寝ないそれぞれの事情
→日本経済新聞:北海道地震、夫介護で避難所ためらい車中泊
防災対策として車中泊の準備を!
幸い、我が家は北海道地震の震央に近い距離にありながら、建物自体への損傷はなかったので、片付け、レイアウト変更が終わった時点で、寝室に戻ることが出来ました。
実は、夫婦でキャンピングカー購入を検討していた時や、購入後も
「キャンピングカーがあれば、もし災害にあっても、避難所にいかなくてすむね!」と、よく話していました。
そのときは、実際にそのような機会に遭遇するとは、思ってもみなかったのですが・・・
もちろん、今回の我が家のように、家の駐車場にいても安全、大丈夫!という状況ではない場合は、避難所に行くべきです。
でも、自分たちで安全を確保できるのなら、できるだけ、自治体の皆さんやボランティアの皆さんの手を煩わせたくないですよね。
近年、防災の心得として叫ばれている「自助・共助・公助」のうち、まさに自助、にあたる備えといえます。
キャンピングカーなら、足を伸ばして寝られるので、エコノミークラス症候群になる心配もない※ですし。
エコノミークラス症候群の心配について
※追記(2019/10):
台風15・19号による災害の報道で「車中泊を一泊するだけでもエコノミークラス症候群リスクが」という記事があって、あれ?足を伸ばせる車なら大丈夫なのでは??と思い調べてみました。
結果、たとえ、足が延ばせる車中泊の環境であっても、血栓ができるリスクはあるのだそうです!
ただし、むしろ車中泊そのものよりも、ストレスやライフラインの被害による不便さ、が影響しているという専門家の分析も。
すなわち、避難所であっても、エコノミークラス症候群(血栓ができる)リスクは大きいとのこと。
車中泊する場合は、寝返りが打てる状態であることも大事なようです。
総合すると、やはり事前にマイカーでゆったり寝られるスペースの確保・確認や、車中泊自体の練習をし、普段と違う就寝環境でもあまりストレスを感じない状態にしておくことが大事なように思います。
参考:
上記 2.yahoo記事(中山祐次郎 | 一介の外科医・もの書き 2016/4/20(水) 0:18)より一部引用:
・可能な限り車中泊をしない
これは避難中の方には難しいかもしれません。が、倒壊の危険などが少ない建物で夜休めるのであれば、極力車中泊を避けてください。
理由は、車の中だと自由に寝返りもできずずっと同じ体勢を強いられるため、結果として足が動かしづらく血栓ができやすいからです。
車中泊避難時のエコノミー症候群対策<最新情報>
2024追記
この2・3年で、公的機関やメディアも車中泊避難についてメリット・デメリットをしっかり論じるようになってきました。
RV協会おすすめのページも参考になりました。どれもすぐ読めるサイトなのでぜひご覧ください。
日本RV協会「くるまの防災ハンドブック」より
期間限定公開かもしれないのでご注意ください。
日本RV協会「くるまの防災ハンドブック」エコノミー症候群予防策
トヨタ災害復旧支援「今、車中泊避難が必要な方へ」
イラストで分かりやすい!
あいち・なごや強靱化共創センター/名古屋大学減災連携研究センター 自治体研究会:災害時「車中泊避難GUIDE」
アンケートでの裏付けもありながら、こちらもイラストで分かりやすい!
NHK明日をまもるナビ「車中泊避難を快適にするには?災害時の車の使い方(2)」
実際に番組でも解説していたのでわかりやすいです!
食事中の安全確保もできる
また、下の写真は、地震発生2日目に作ったキムチ鍋です。
(電気の切れた冷蔵庫内の鍋用タレを消費するために、続けて食べてました💦)
このような食事中も、余震に警戒しなければならないので、車の中だと安心でした。
我が家は防災を特に意識してキャンピングカーを買ったわけではなく、皆さんにも無理に購入をすすめるわけではありません。
もし、今持っている車で車中泊ができそうなら、日ごろから一度、「どうやったら足を伸ばして寝られるか」など、お試ししてみることをおすすめします!
レジャーのつもりでやってみたら、きっと楽しいですよ♪
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分散避難について
2021年3月追記
昨年からのコロナ禍で、キャンピングカーの防災面での実力が、別次元で評価されてきています。
「分散避難」は、いわゆる自治体の避難所以外の選択肢をそろえておこう、という考え方です。キャンピングカーへの避難、車中泊は正しく行えば重要な避難場所になります。
一方、水害や津波からの避難、初動時は、渋滞の発生などで、かえって被害を大きくする可能性もあります。
大事なキャンピングカー・車中泊車を自宅に残しての非難は心のこりですが、色々な条件を想定しておき「個人の避難タイムライン」を作っておくのが重要かもしれません。
まとめ
最後に、北海道地震の震源から近い距離で被災した体験をもとに、キャンピングカーがあってよかった!と思った点と、不足していた装備を簡単にまとめます。
災害発生時、キャンピングカーがあって良かった!点
- 自宅が片付くまでの期間、安眠シェルターになる
- 片付け作業中に安全を確保しながら、休憩、食事が取れるリビングになる
- 防災グッズ、食料、水の保管庫として優秀
- サブバッテリーがあるので、テレビ視聴やスマホ充電に便利
「防災用キャンピングカー」も発売されています
防災対応キャンピングカーを調べてみたら、まさに上記の点を取り入れている仕様だとわかりました。
さすが、キャンパー鹿児島さん!
あと、最近発売されたOMCさんの「ゼロ ZORO」も防災を意識している全部入りバンコンです。
あればよかった?キャンピングカー設備
- 太陽光発電システムや外部発電機
- メンテナンスを考えると、我が家には過剰なので、まだ追加しないつもりですが。
- トイレ
- これも、マルチルームなしハイエースバンコンを選んだ時点で諦めていたポイントです。でも被災時に、汚物を捨てる場所があるか?逆に、断水でトイレも使えないようなときは便利かも???等々、ケースバイケースでしょうね。
キャンピングカー購入を考えている皆さんにも、参考になれば幸いです。
最後に、ちょっと恥ずかしいですが・・・
車に「避難」して車中泊生活していた期間の、我が愛車内の様子を紹介します♪
あんまり見つめないでね!💦
防災のため、車中泊に初チャレンジ!したい方におすすめ本
カーネル 災害時に役立つ車中泊マニュアル
防災だけでなく、これまでのカーネルさんの記事から、車中泊の基本についても抜粋されており、全方位死角なし!
白い「避難マニュアル」のほうが新しくて、より専門的です。私が気になってたエコノミークラス症候群のことなども、だんだん正確な情報が掲載されるようになってきました。
車中泊グッズ&ノウハウ
初心者が揃えたいグッズ、最新のラインナップが充実しています。うちは持ってるものが多かったですが、思わず本を買っちゃったほどです!JAFさんは「車内泊」といってます。車中泊は登録商標?と一時期揉めてたので気を使ったのかな?
Auto camper 2019年 12月号・2020年7月号
災害特集はときどきキャンピングカー雑誌でも登場しますが、2019年の台風災害などを受けてかなり深掘りしています。
2020年はコロナでキャンピングカー・車中泊車が注目されました。合わせて防災対策や、あまり触れられてこなかったキャンピングトレーラーの防災等への活用についても触れられています。
車中泊の新基本(カーネル特選)
古いですが、私が沢山持っている車中泊本のなかで、本当の基本が詰まっているなぁと思っている本です。
しかし出版社さんが倒産したので、現在中古本しか売っていません。図書館にある場合もあります。
車種別車中泊の仕方、がどんな車の方にも参考になると思います。
カーネル特選!車中泊の新基本―クルマ旅、自由自在。 (CHIKYU-MARU MOOK カーネル特選!)
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